厚物縫製とは?できる工場が少ない理由
バッグや産業資材、介護用品などの製品開発をしていると、「この厚みだと縫製できない」と工場に断られてしまうケースがあります。
特に、帆布やターポリン、クッション材などを組み合わせた製品では、一般的な縫製工場では対応が難しい場合も少なくありません。
そこで今回は、厚物縫製とは何か、そして対応できる工場が少ない理由についてわかりやすく解説します。
厚物縫製とは?
厚物縫製とは、通常より厚い素材や多層構造の生地を縫い合わせる縫製技術のことを指します。
例えば次のような素材が使われる製品です。
・厚手帆布
・ターポリン
・ベルポーレンなどのクッション材
・PEフォーム(ペフなどの芯材)
・合成皮革
・多層構造のバッグ素材
これらを組み合わせると、縫製部分の厚みが数ミリ〜1cm以上になることもあります。
そのため、一般的なアパレル用ミシンでは縫うことが難しく、専用の設備や技術が必要になります。
厚物縫製は、次のような製品でよく使われています。
・ゴルフバッグ
・工具バッグ
・アウトドア用品
・医療・介護用品
・産業用バッグ
・防水バッグ
・スポーツ用品
このように、耐久性や機能性が求められる製品に多く使われる縫製技術です。
厚物縫製ができる工場が少ない理由
ではなぜ、厚物縫製に対応できる工場は少ないのでしょうか。
主な理由は大きく3つあります。
①専用ミシンが必要になる
厚物縫製では、通常の工業用ミシンでは対応できない場合があります。
例えば
・強力な送り機構
・太糸対応
・厚物用押さえ
・高トルクのモーター
など、厚い素材を安定して縫うための設備が必要になります。
また、針も太いものを使用する必要があります。
こうした設備は導入コストが高く、
すべての縫製工場が持っているわけではありません。
②太い糸を扱う技術が必要
厚物縫製では、耐久性を確保するために
**太い糸(太番手の糸)**を使用することが多くなります。
しかし太い糸は
・糸調子の調整が難しい
・縫い目が不安定になりやすい
・ミシンの設定がシビア
といった特徴があります。
そのため、経験のある職人の技術が必要になります。
特に、バッグや産業資材のような製品では、
縫製の強度が製品寿命に直結するため、
確かな縫製技術が求められます。
③素材の理解が必要
厚物製品は、単に厚いだけではありません。
例えば
・帆布
・ターポリン
・ベルポーレン
・PEフォーム(ペフ)
など、異なる素材を組み合わせた構造になることが多いのです。
素材ごとに
・滑りやすさ
・硬さ
・伸び
・耐熱性
が異なるため、縫製方法も調整する必要があります。
そのため、厚物縫製では素材の知識と経験も重要になります。
厚物縫製は製品の耐久性を左右する
厚物縫製が必要な製品では、縫製の品質がそのまま製品の耐久性につながります。
例えば
・荷物を入れるバッグ
・長期間使用する介護用品
・屋外で使うアウトドア製品
などでは、縫製部分に大きな負荷がかかります。
そのため、適切な設備と技術を持つ縫製工場での生産が重要になります。
厚物縫製は国内縫製工場の強みでもある
現在、縫製製品の多くは海外生産になっていますが、
厚物縫製のような技術力が求められる製品では、国内工場の強みが活きる場面も多くあります。
例えば
・細かな仕様調整
・試作対応
・素材の相談
・製品設計のサポート
など、製品開発の段階から相談できることも大きなメリットです。
特に、厚手素材や特殊素材を使う製品では、
縫製技術と素材知識の両方を持つ工場が重要になります。
まとめ
厚物縫製とは、厚手素材や多層構造の製品を縫うための特殊な縫製技術です。
しかし、
・専用設備が必要
・太糸縫製の技術が必要
・素材の知識が必要
といった理由から、対応できる工場は限られています。
もし製品開発の中で
「この厚みは縫えるのだろうか?」
「他の工場で断られてしまった」
といった場合でも、厚物縫製に対応できる工場であれば解決できるケースもあります。
厚手素材や特殊素材を使った縫製製品を検討されている場合は、厚物縫製の実績がある工場に相談してみることをおすすめします。
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