太糸縫製が必要になる製品ジャンル一覧
― 一般的な縫製では対応できない製品とは ―
縫製の相談を受けていると、
「普通の縫製工場では断られてしまった」
「強度が足りず、縫い直しになった」
という声を耳にすることがあります。
その多くは、太糸縫製が必要な製品であるにもかかわらず、
一般的なアパレル向け縫製と同じ感覚で工場を探してしまっているケースです。
本記事では、
太糸縫製が必要になる製品ジャンルを一覧形式で紹介しながら、
なぜ太糸縫製が必要なのか、どんな点に注意すべきかを解説します。
そもそも「太糸縫製」とは?
太糸縫製とは、
一般的な衣料用よりも太く強度の高い糸を使用した縫製のことを指します。
太糸が使われる理由は主に以下の通りです。
- 強度・耐久性を重視したい
- 荷重がかかる箇所がある
- 長期間・繰り返し使用される
- 見た目よりも機能性を優先する
そのため、太糸縫製は
ミシンの性能・針・縫製技術のすべてが揃っていないと成立しません。
太糸縫製が必要になる製品ジャンル一覧
① 業務用バッグ・大型バッグ類
代表的なのが、
- ゴルフバッグ
- 業務用キャリーバッグ
- 工具バッグ
- 運搬用バッグ
これらは、
- 生地が厚い
- 芯材や補強材が多い
- 持ち手・底部分に大きな負荷がかかる
といった特徴があります。
細い糸では、使用を重ねるうちに
縫い目が切れたり、ほつれたりするため、
太糸でしっかり縫うことが必須となります。
② 介護用品・福祉関連製品
介護・福祉用品も、太糸縫製が求められるジャンルです。
- 体重を支える構造
- 繰り返し洗濯・消毒される
- 安全性が最優先
こうした製品では、
「見た目がきれい」よりも
**「絶対に壊れないこと」**が重要です。
そのため、
縫製強度を確保するために太糸が使われるケースが多く、
対応できる縫製工場は限られます。
③ スポーツ・アウトドア用品
スポーツ・アウトドア分野も、太糸縫製が欠かせません。
- テント・タープ類
- 登山・キャンプ用バッグ
- スポーツ用プロテクター
屋外使用を前提としているため、
- 摩擦
- 雨・紫外線
- 大きな負荷
に耐える必要があります。
このジャンルでは、
太糸+厚物素材の組み合わせが多く、
縫製難易度が一気に上がります。
④ 工業・作業用製品
工業用途や作業現場で使われる製品も、
太糸縫製が必要になる代表例です。
- 作業用カバー
- 保護用ケース
- 機材収納袋
これらは、
「壊れないこと」が最優先条件となるため、
縫製の強度が製品寿命を左右します。
一般的な縫製仕様では対応できず、
専門的な設備と経験が求められる分野です。
⑤ 厚物クッション・特殊構造製品
- 厚手クッション
- 芯材を多層に使った製品
- 立体構造の布製品
こうした製品は、
単純に「厚い」だけでなく、
縫う途中で段差が発生するのが難点です。
太糸縫製に慣れていない工場では、
- 縫いズレ
- 針折れ
- 糸切れ
といったトラブルが起きやすくなります。
太糸縫製ができる工場が少ない理由
太糸縫製は、
- ミシンへの負荷が大きい
- 調整に時間と技術が必要
- 生産効率が落ちやすい
という理由から、
対応できる工場が年々減っています。
特にアパレル中心の縫製工場では、
設備やノウハウが合わず、
「できない」と判断されることも珍しくありません。
工場選びで確認すべきポイント
太糸縫製が必要な製品を依頼する場合、
以下の点を確認することが重要です。
- 過去に似た製品の実績があるか
- どの程度の糸番手まで対応できるか
- 分厚い素材を重ねて縫える設備があるか
これらを確認せずに進めると、
後戻りが発生する可能性が高くなります。
まとめ:製品ジャンルと縫製技術はセットで考える
太糸縫製が必要かどうかは、
製品ジャンルを見ればある程度判断できます。
「うちの製品は特殊かもしれない」
そう感じた時点で、
一般的な縫製工場ではなく、対応実績のある工場を探すことが重要です。
太糸縫製が必要な製品ほど、
工場選びが製品品質を大きく左右します。


